アマチュアバンドの為のリハーサルの常識をまとめてあります。
「ライブハウスに出るのは初めてだ」「リハーサルの流れが分からない」といった人は読んでみて下さい。
セッティングについて
複数のバンドが出演するコンサートでは、出来るかぎり各バンドのセッティングを統一することが、転換時間および仕込時間の短縮につながります。
アンプ、キーボード、エフェクター等の電源コンセントは、通常2~3ケ出ていますが、特に多く必要な場合はテーブルタップ等を各自で用意して下さい。
ベータのPAモニターは、4系統6個です。各系統別々のバランスが作れます。
Betaに常設の機材(2024.1現在)
※メンテナンス・破損(修理中)等、の為下記機材と違う場合がございます。予めご了承ください。
Drums |
Pearl Reference series (BD22"/FT16"/TT13" 12" 10") SN 14"×6" maple Sabian HH 14"/Ride 20"/Crash 16"18"/China 20" |
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Bass Amp |
Markbass Little Mark IV 300 (MAK-LM-4/300)(Head) Markbass Standard 108HR (MAK-ST108HR)(Cabinet) |
Guitar Amp |
Roland JC120 Fender The Twin Hughes & Kettner Triamp mk2 (Head) + CC412AV (Cabinet) Marshall JCM800 (Head) + 1960AV (Cabinet) Marshall JCM2000 DSL100 (Head) (有料¥7000) |
Keyboard |
Roland JV-35 Roland FP-4 |
以上の機材は自由に使って下さい。他に使いたい機材がある場合は持ち込んで下さい。ギターアンプなど自分の機材を使いたい場合も持ち込んで頂いて結構ですが、事前に必ず御知らせ下さい(ただし対バンの分も含めてあまり機材が多くなる場合お断りする場合があります)。
ドリンク等をステージに持ち込む場合は、絶対こぼさないように注意してください。
アマチュアバンドの為の、これぐらいは知っておいて欲しいリハーサルの常識
ここからはベータだけではなく全国どこのライヴハウス、ホール、または野外コンサートにおいても絶対に必要な最低限の知識及びマナーを書き出してあります。ライヴ演奏をするにあたってこれだけの事が出来れば全国どこへ行っても通用するし、「おっ、このバンドは解ってるな」と、PA、照明スタッフの態度も違ってくるはず。最高の演奏、最高のライヴにするために、これだけは読んでおいて下さい。
ライヴ当日までに自分の楽器を手入れしておこう。ちゃんと音がでるのは当然、ノイズは多くないか、チューニングはちゃんと合うか?などなど。ギター、ベースのオクターブチューニングなどはこれを機会に合わしておこう。それからシールドはちゃんとしたものを使うこと。極端な安物や切れかかったようなのはNG。何とか音は出ても、ノイズを拾いやすく、特にステージの上では照明機材からのノイズが入りやすいので、必ずチェックしておく事。
まずライヴハウス、コンサート会場に入ったら主催者、PA、照明スタッフに「オハヨウゴザイマス。××××です。よろしくお願いします。」ぐらいの挨拶はするようにしよう。これだけのことで自分達の顔を覚えてもらえるし、スタッフとのコミュニケーションがLIVEの最後までスムーズになる。
さあいよいよリハーサルの順番が来た。その前に必ず楽器のチューニングをしておこう(そのためにもチューニングメーターは最低バンドに一つは用意しよう。なにはなくてもチューニング)。リハーサル中にチューニングなんていうのは単なる時間のムダ。
ステージに上がったらまずはセッティング。自分のセッティング、音作りができたら、ひとまずお休みして他の楽器が出来上がるのを待つ。このときいつまでもガンガン音を出していると、他の楽器の音作りが出来ないのでおとなしく待っているように。この間にスタッフがマイクセッティングをしてくれる。
ではパート別のセッティング、音作り、サウンドチェックの手順を説明していこう。
Drums
君が持ち込んだスネアはもちろん、タムやシンバルの位置はOKだろうか?君のセッティングにあわせてPAスタッフがマイクをセッティングしてくれる。これは勝手にさわらないように。ただし本番中に、もしマイクが抜け落ちたり、マイクスタンドが動いた場合は例外。PAスタッフがステージに上がってくるよりも自分で直したほうが早いな、と思ったら曲間に直してしまおう。ライヴハウスやアマチュアのコンサートの場合、袖つきのPAスタッフ(ステージのトラブルやマイクの移動に備えて待機している人)がいない場合が多いので簡単なトラブルは自分で処理しよう。
マイクセッティングが終了したらサウンドチェック。PAスタッフの指示にしたがって、バスドラ、スネア、タムと順番に音を作って行く。このとき実際曲を演奏しているときのタッチで叩かないと意味がないので注意。それぞれのパーツの音作りが一通り終ったら全体でリズムをきざんでバランスをとっていく。PAスタッフからOKがでたら、もう一休みして他の楽器が出来上がるのを待つ。
それからドラムセットが自分の持ち物でない場合チューニングを変えるのはPAスタッフの許可を得てからにしよう。
Electric Bass
シールドはアンプの上に乗っているダイレクトボックス(D・I)の“INPUT”(注:ベータの場合は“INST”)にしっかり突っ込むこと。エフェクターをつないでいる人は、最後のエフェクターの“OUTPUT”をここにつなげばOK。直接アンプにつっこんでも、PAスピーカーから音は出ない。
アンプのヴォリュームを上げて音がでたら、まずは音量の決定から。自分が演奏する位置に立って、自分がちゃんとモニターできるだけの音量にして欲しい。次は音質、アンプのトーンコントロールやイコライザーのたぐいは自分の聞きやすいようにいじってくれていい。ただし、これらはPAの音にはいっさい関係ない。ベースの音はベース本体のトーンコントロールやピックアップの選択、エフェクターなどで作るのだ。もちろん君の持ってきたベース自体の音質が最も重要であるのは言うまでもない。サウンドチェックではピック、チョッパーなど自分がやる奏法それぞれで音をチェックする。これもドラムと同じく実際のタッチでないと意味なし。ここまで出来たらベースもひとまずお休み、他の楽器が出来上がるのをおとなしく待つ。
ところでベースは、君のベースからPAスピーカーまで直接ライン接続されているから勝手にシールドを抜いたりしてはいけない。ボコッという大音響と共に、運が悪けりゃPAスピーカーが飛んでしまって何十万円も弁償しなくっちゃならないなんて言うこともあるのだ。シールドを抜くときは必ずPAスタッフにことわってから抜くこと。当然ベースアンプのヴォリュームを絞るのも忘れないように。
Electric Guitar
さて、音量だけど、これはベースの時と同じ。自分の演奏する位置に立って自分がモニター出来ればOK。アンプからの音が大きすぎれば、遠くで鳴っているような感じの迫力のない音になりやすい。次に音質。こっちはベースにくらべて至極簡単。君のギターアンプから出ている音がマイクでひろわれてPAスピーカーから出てくるんだから、基本的にはエフェクターやアンプのトーンコントロールを使って自分の出したい音にしてくれれば良い。ただし、PAスピーカーを通して聞くと、ステージでギターアンプの音を聞いているのとはだいぶ感じが違って聞こえるので、ひととおり音作りが出来たら客席からも聞いてみるのも良いだろう。思ったより低音が出すぎていたり、高音がギャンギャンだったりすることも多い。
それから使い分けるいくつかのセッティングの音量バランスもチェックしなければならない。バッキングの音量とソロの音量は当然違うだろうし、曲によっても音量は変ってくるはずだ。あと、ギターをもってマイクに触るとビリッと来た、なんて言うときは、ギターアンプについているグランドスイッチを切り替えてみよう。エフェクターをつないでいてノイズが多いときもこの操作でマシになる場合がある。また、シールドの抜き差しはアンプのヴォリュームを絞ってからすること。こんなのはライヴの時だけじゃなくアンプを使うときは常識中の常識。
Keyboard
最近のキーボードはプリセット音によってかなり音量のバラツキがあるので自分の音を良く聞いてキーボード本体のヴォリュームで揃えるようにしよう。また、バッキングの音量とソロの音量も調整すること。
キーボードを何台か使いたいんだけどキーボードミキサーを持っていない場合は、ベータの場合キーボードアンプを使う。4つあるINPUTにキーボードをつないでキーボード本体のヴォリュームでバランスをとればミックスすることが出来る。でも、どこへ行っても何とかなるもんではないから2台以上のキーボードを使いたいときはやっぱり自分でキーボードミキサーを持っておいたほうが無難。ステレオでキーボードを出したい場合のモニターはPAのモニタースピーカーから返してもらう。この場合自分の音と人の音とが混ざって一つのスピーカーから聞こえてくることになる。又この場合自分の音の音量を自分で決められなくなるからPAオペレーターに注文すればいい。この辺はライヴハウスによって色々なやり方があるからセッティング図を出すときに確認しておこう。これもベースと同じくライン接続されているから、シールドの抜き差しや電源のON/OFFをする時は必ずPAスタッフに声をかける事。
Vocal
ヴォーカルマイクやコーラスマイクはその使い方だけで本が一冊書けるぐらいノウハウがあるんだけど、単一指向性のダイナミックマイクロホン(ライヴで使うヴォーカルマイクは、ほとんどこれ。)には読んで字のごとく、指向性なるものがある。これはどういう事かと簡単に言えば、マイクに向かってまっすぐの音は良く拾うが、横で鳴ってるギターアンプの音には知らん顔してくれる誠にありがたいマイクなのだ。しかし、逆に言えばマイクに向かって真っ直ぐに歌わないと全然ヴォーカルが聞こえないなんて事になる。それからこのマイクは近くの音は良く拾うが、ちょっと離れると、これまた知らん顔する性質もあって、30cmも離れればほとんどヴォーカルは聞こえない。まあ、歌い方にもよるけど、だいたい口から2~3cmぐらいがベスト。
ところでマイクを持つ時は、先のウインドスクリーン(丸い所)を持ってはいけない。ウインドスクリーンを手で覆うことによって、さっきの指向性が変ってしまうからで、ハウリングをおこしたり、当然音は極端に悪くなる。マイクの胴の部分を持つこと。それから念のために言っておくと、マイクをモニタースピーカーに向けないこと。一発でハウってしまう。
etc.
その他の楽器については、基本的にはここまで書いてきたことの応用でだいたいできるはず。サックスやトランペットだって基本的にマイクを使うものは、ヴォーカルの所を読んでおけばOK。あと、解らなければ、どんどんPAスタッフに聞いてみよう。
Ensemble
PAを使ったステージでのアンサンブルのとり方について説明しておこう。 まず各楽器の音量設定。基本はドラムの音量に合わせてアンプのヴォリュームを決める。簡単にいえば、ステージの上をスタジオだと思ってくれれば良い。みんなスタジオに入ったらドラムの音量に合わせてるだろ?そうすれば自然と自分のアンプに近い分だけ自分の音が一番大きく聞こえて、人の音もしっかり聞こえるはずだ。それじゃどうがんばってもドラム並のでっかい音が出せるはずないヴォーカルはどうなるの?そう、そのためにモニターを使う。元々モニタースピーカーというのは、生音のバランスをとったうえで、そのままじゃ音が小さくて聞き取りにくい楽器(例えば、ヴォーカルやキーボードなど)や、ステージが広ければ離れていて聞こえない楽器なんかを返して、生音とバランスをとるのが目的。PAオペレーターがヴォリユームを調整しているので、ドラマーがもう少しベースが欲しいな、とか、ベースが大きすぎる、と思ったらPAスタッフに「ドラムのモニターにもう少しベースを返して(落として)ください。」と言えばよい。この時、誰のモニターにどの楽器の音を返して(落として)欲しいのかはっきり言わないと、たくさんのモニターを一手に担っているPAスタッフにはちゃんと伝わらない。だいたいライヴハウスや小さなホールのステージだったら、自分達のアンプから出ている生音でほとんどバランスがとれるはずだから、基本的にはモニタースピーカーからはヴォーカルやキーボードが聞こえてくればだいたいOKのはず。
各楽器の音量が決まったら次はアンサンブル。よくPAスタッフがソロの音量を上げ下げしてくれると思っている人がいるけど、大きな間違い。君の専属PAでもない限り、PAスタッフは君達の曲やどこでソロが入るかなんて知らないんだから。自分でコントロールするようがんばろう。そうすれば客席のバランスだけでなく、ステージの上でもソロがしっかり聞こえて気持ち良く演奏できる。
Reharsal
さて、各パートのサウンドチェックが終わったら、ようやくリハーサルのスタートだ。演奏する曲目をPAスタッフと照明スタッフに言って、とりあえずは一曲目。演奏がはじまったらPAスタッフは全体のバランスをとったり、君達のモニターバランスをチェックしたりしている。ここで勘違いしてもらっては困るのが、客席で聞こえているバランスと君達がモニタースピーカーで聞いているバランスは、全く違うということ。まずはステージの上で、自分達が演奏しやすいようにモニターバランスを決めること。誰のモニタースピーカーに、どの楽器をどうして欲しいのか、PAスタッフに言えば良い。
客席で聞こえているバランスに関しては、「ドラムの音をもう少しタイトに」とか、「ヴォーカルにもっとリバーブを」とか言うのはどんどん言えば良い。客席から聞いてみて思ったことをPAスタッフに伝える事。ただし、特殊なもの、例えばスネアにゲートリバーブをかけたいとか、ギターソロで音を左右に飛ばしたいとか言うのは、前もって打ち合せしておかないと、当日その機材がなければオジャンになってしまうんだから、バンドのセッティング図を出すときにPAスタッフに相談するように。
さて、モニターバランスもOK、フロントのバランス、音質もGOOD、となればもうこっちのもの。最高の演奏をして欲しい。最後にPAスタッフ、照明スタッフに「本番よろしくお願いします!」これでリハーサルは終了。後、アンプのヴォリュームとかトーンコントロールなんかは、当然本番でも同じにセットしなくてはならない。何のためにリハーサルをしたのかわからなくなっちゃうだろ?覚えられなければメモなどに書き留めておくようにしよう。(これはPAオペレーターの方も同じ。ベータではかなり綿密なデータをとっています。) ベータのスタッフはバンドのみんなと一緒になっていいライブをやろうと思ってます。もしまだわからないことがあったらどんどんスタッフに質問しよう。誰だって初めから何でもできる訳じゃないんだから、恥ずかしがって分からないまま終わらせちゃソンだよ。又バンド側からベータにこうして欲しい、なんて事があったらどんどん言って欲しいと思ってます。
本番を楽しみにしています。
最後に、これだけは・・・
■ マイクの頭をにぎるな
■ チューニングはしっかりと
■ 対バンのリハーサルは見る
■ 本番はリハーサル通りの事をする (アンプの設定はメモする)